世界最古の博物館・正倉院

正倉院

奈良時代は古代の日本史の中でも特に豊かな時代であったとされています。東大寺が完成し、日本中のさまざまな場所に国分寺が建設された時代です。

このような豊かな時代を治めて聖武天皇は国内外のさまざまな品々をコレクションしていました。そんな聖武天皇が崩御された後、このコレクションは国に献じられ、756年、正倉院に収められました。これが世界最古の博物館誕生の瞬間です。

王家の財産が革命などの理由もなく国が管理することとなったのは非常に稀なケースです。残された皇后が熱心な仏教徒の信者であり、亡き天皇が極楽へ行くことを願って献上したのがその理由と言われています。
正倉院ホームページ - 宮内庁

正倉院のコレクション

聖武天皇のコレクションの数は700点以上におよび、その一つ一つが当時の最高級品でした。そのすべてに詳細な解説もつけられており、しっかりとした形で保管されたため、現在まで素晴らしい状態で保存されています。

この時代のものが大量に良い状態で保存されているケースはとても珍しく、世界的にも高い評価を受け、「人類の宝」とまで称されています。正倉院への献宝はその後も行われ、現在ではそのコレクションは1万点とも言われています。

当時の最新の設備によって守られた宝

正倉院は校倉造りと呼ばれる構造です。この構造は、空気の吸入や排出作用を持っており湿度を調節することができるようになっています。 その上、殺菌作用のある檜つくりとなっており、宝物の保管には最適な環境となっていました。この正倉院という当時の最新の設備を持った建物であったからこそ、現代まで貴重な宝物を守り続けることができました。この建物自体も高い評価を受けており、現在ではユネスコの世界遺産にも登録されています。

世界最古の博物館と呼ばれる正倉院は、現代の博物館と比較しても多くのコレクションを誇っています。所蔵されている品々の質や、状態も当時としては考えられないほどハイレベルなものとして知られています。

その貴重な建物や歴史まで含めると、大英博物館やメトロポリタン博物館など、世界的な大博物館以上の存在であるといっても過言ではないでしょう。正倉院そのものが、日本が世界に誇ることのできる宝であると言えるのではないでしょうか。