世界一の医療水準

2000年のWHOの報告によると、日本の医療制度は世界一となっています。『当たり前』と思いがちな医療サービスですが、日本は世界でもまれな、優れた医療システムを持っているのです。

安価な医療費

日本では国民皆保険制度があり、国民はすべていずれかの健康保険に加入しています。このため、病院窓口で支払う料金は世界的にみて非常に安価となり、手軽に病院へ行くことができるのです。一人当たりの年間外来受診回数は、2010年の調査で13.6回、2位ドイツ7.5回の2倍近い数値となっています。また、高額な先端医療を安価で受けることも可能です。

世界最先端の医療技術を持つのは、やはりアメリカですが、よく言われるようにアメリカでは医療費は非常に高額で、2週間入院すると家を売らねばならない、などといわれるほどです。最先端の医療を受けられるのは、ごく一部のお金持ちのみという側面があります。

しかし日本は、医療費が上限を超えると後で払い戻されるという、高額療養費払戻制度があり、金額の負担を気にせずに最先端の治療を受けることが可能なのです。

がんなど、高額な治療費が必要な症状での治癒率では日本がダントツの世界1位なのですが、これも医療費の心配をせずに治療に専念できるという、日本の優れた制度のおかげといえるかもしれません。

また、最近では日本でも有料化に向けて議論が始まった救急車ですが、世界をみると『どんな場合でも無料搬送』をしている国は少数です。

なかには救急隊員が同乗せず、『ただ運ぶだけ』の救急車もあるので、無料で、しかも車内でも救命行為を行ってもらえる救急車は、世界でも珍しいといえます。

例えばアメリカでは、乗るだけで所定の金額を支払い、さらには症状、病院までの距離によって追加で料金を支払うといった制度を導入していますが、1回に最低でも5万程度はかかるようです。本当に命に関わる時しか呼びたくないというのも、うなずける金額ですね。

1分1秒を争うような症状の際に、財布の中身を気にせず利用できる日本の救急車は、患者にとっては頼もしく、ありがたい存在です。そして、これが日本の医療制度がナンバーワンと言われる理由の一つなのです。

新生児の死亡率が世界最低

その国の医療水準をみるとき、新生児の死亡率を一つの目安とするというのが、一般的な基準となっています。新生児医療は、その国の医療水準が如実に表れるというのが理由のようですが、日本では1000人の新生児のうち、死亡するのは1人という統計結果が出ていて、これは世界でも最も少ない数となっています。

今後の課題

この『病院に行きやすい』環境は、患者にはありがたいのですが、医療現場では深刻な人手不足を起こしています。日本の医療費は世界でも格段に安く、そのため病院では十分な医師、看護師を雇えないといった状況にあります。

日本では、医師、看護師ともに1人当たりの受け持ち患者数がダントツに多くなっていて、資料からも日本のお医者さん、看護師さんの忙しさが読み取れます。

ですが、それでもなお多くの医師、看護師さんは患者に対して非常に親切です。 激務をこなし、しかも患者に対して気遣う優しさを忘れない日本の医療従事者は、やはり世界のトップといえるでしょう。

どれほど生活が便利でも、医療制度が整っていない国には住みたくないものです。普段、あまり気にかけることはないかもしれませんが、日本の医療水準は世界最高レベルである事は間違いありません。今後も、この医療水準が続くことを祈りたいものです。